「シン・ウルトラマン」変な方向に期待しすぎちゃってたけど、やっぱりすごい楽しかった話

ネタバレ100%です

 

遅ればせながらシン・ウルトラマン見てきました。
自分は超がつくほどの出不精なので誘われでもしなければ劇場に足を運んだりはしないんですが、ライト層ながらウルトラマンが好きと自称するからには見に行かなければと思い行ってきました。

でも実を言うと上映が終わった直後はちょっと肩透かしを食らった気分になってたんです。
期待しすぎないように、でも変に斜にも構えないように注意していたつもりでした。
実際、予告編見たときはいい感じにワクワクしてたんですよ。山本耕史胡散臭いな~!とか怪獣(禍威獣)カッコいいな~なんて。でもスタッフロールが流れたときは「う~ん……?」って感じだったんです。
怪獣たちの描写もよかったし、山本メフィラスもいい味出してて期待していたものが出てきたはずなのに。じゃあなんでだろう? と。

私はその答えを脚本に求めました。
ど素人のくせに知ったふうに「長澤まさみが一番大事なポジのくせにキャラ造形が妙にアニメアニメしてて浮いてる」だの「ドラマが全然無い」だの……。
で、理屈をこね回して自分を納得させて「まあでも怪獣映画なんだからそこはそんなに大事じゃないよね、全体で見ればまあまあ良作だったかな」なんて思ってたんです。思おうとしてたんです。

でも上映直後のあのモヤっとした感じはやっぱり説明がつかない。小骨がノドに刺さった感じ。

そして、そもそも「お前、ウルトラマン見に行くときに人間ドラマだのキャラの掘り下げだのを期待してんの?」と疑問がわいたんです。確かに期待してない訳じゃないけど、それを一番楽しみにはしてない。

じゃあ自分はウルトラマンに何を期待してたんだろう?

それは「怪獣とウルトラマンが街中で大暴れして、ビルがドッカンドッカンぶっ壊れること」です。私の情緒は三歳の頃から変わっていません。親にドライブにつれてってもらって、窓の外を指さしながら「あそこに怪獣がいて、そしたらウルトラマンがドーンって来て……」って口角に泡飛ばしてた頃から何も変わってません。
私は自分の身近な世界に非現実が訪れる感じにワクワクしてたんです。

だから、たぶん私はシン・ウルトラマンULTRAMAN_n/aが2時間続くような映画だと勝手に期待していたんです。

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でも実際は違いました。ウルトラマンはもっといろんなシチュエーションで戦ってくれました。そもそも禍特対は極力人々に被害が及ばないように頑張ってるわけですからね。
むしろネロンガ戦の地方の町を挟んでネロンガの電撃がウルトラマンへ飛んでいくところとか、ザラブとウルトラマンが丸の内だか東京で大激突するところはメチャクチャわくわくしたんですよ。摂取したいものは摂取できていたんです。私はただ「オードブルからデザートまでハンバーグが良い!!」と無意識に駄々をこねてただけだったんです。

そう考えると急に「やっぱ楽しかったじゃん!」という気持ちになってきました。ザラブもメフィラスもゾフィーも(たぶん庵野さん的には原作ボツ案だかのゾーフィの方)すごくいいキャラしてましたし、私が「問題視」してた「ドラマ」だって、斎藤工長澤まさみのやりとりとか人と人外との対話として凄くよかったと思うし、最後にUSBを託してニッと笑うところなんてメッチャ良かったよな~~と。サブの人間たちもみんな良い味だしてた。

という訳で今はすごいサッパリした気持ちでシン・ウルトラマン楽しかった~~!と言えます。
こんな風に作品を咀嚼したのは久々だったので、それもちょっと面白かった(いつもはふーん……でスルーしてしまうので)

また色々と映画見に行きたいですね。

ロストジャッジメントのイジメの描き方がよかったって話と、その他フィクションにおけるイジメの話。

ネタバレ100%なのでお気を付けください。

 

ロストジャッジメント、クリアしました。
クリア直後は呑み込めないところもあったけど、時間をおいて振り返ってたらだんだん消化できて来たなと思ったので、たくさん言いたいことはあるけど今回は表題の件だけ。

ロストジャッジメントは作品を通してのテーマとして「イジメという”犯罪”について」「裁かれなかった罪人を誰が裁くのか」「復讐の是非とは」とかとかあって、全体的にまあ重い話。
その中で、話のイントロダクション的に「学校内でのイジメをキムタク(主人公)が解決する」というくだりがあるんです。
もろもろあって加害者をとっちめて改心させて、イジメ加害者がイジメ被害者に謝罪するんですけど、
加害者が謝ったときに、被害者は何も言わずにその場から立ち去ってしまうんですね。
それを見ていたキムタクが加害者に対して、
「当然の反応だ、許されると思うなよ。一生許されないことをお前はしたんだ」
「でも、よく謝ったな」
って言ってて、このバランス感覚のおかげで賛否別れそうなシナリオも最後までプレイできたなと、いま振り返ってみてそう思いました。

アンテナの低い自分の主観になってしまうけど、いじめを取り扱う作品ってだいたい
・加害者が謝罪して、被害者は受け入れる(なんならそのあと親友みたいになる)
・加害者側が罰を受ける
の2パターンだと思っていて、これってコンテンツを受けた側の学習としては、
「謝れば許される」「イヤなヤツをボコボコにするとスカッとする」でしかなくて、ともすればイジメを助長しかねないと思ってたんですね。
なので、この話のつけ方は上手いなと。

ロストジャッジメントという作品はイジメ問題にかなり真剣に取り組んでいて、
それゆえ、各キャラの意見はありつつも、作品としてイジメや復讐の是非について答えは出していないんです。

受け手側に主体性のあるビデオゲームでこういう作品を出したのって、本当に意義があると思うし、唯一無二の作品だと思うので、とりあえず皆に触ってほしいなと思う作品でした。
前作(ジャッジアイズ)とお話はつながっていないので、今作からでも遊べます。

リモートワークを乗り切りたい

リモートワークが嫌でしゃあない。
いや、オフィスと違って監視の目がないぶん色々と自由が聞くので一概に悪いことばかりでは無いんだけど、とにもかくにも「仕事に集中できない」のが一番しんどい。好きにサボれたとしても結局スケジュールは見逃してくれないのだ。
なのでこの一年ウンウン苦しんだ中で「なんかこれリモートワークに効果あるかも」と思ったのをメモしておく。

 

・独り言をめっちゃ言う

普段のオフィス内じゃ絶対にできないことをやろうとしてたどり着いたのがこれ。個人的に一番効果を感じたやつでもある。
ただブツブツ愚痴を言うんじゃなくて、書類を音読したり、自分の思考の流れを逐一声に出したりする。そうするだけで普段よりかなりミスが減ったり思考がまとまりやすくなる気がする。あと「やることがやる気を出す唯一の方法」なんて言うけど、これはまさにそれな気がする。

 

・独り言の「やりたくね~」を「やるしかないかぁ」に言い換える

おまじないに近いけど割と効果がある気がする。
やるしかないかぁの前後に「マジクソ」「最悪」とかをつけても良い。
要は「やりたくない」を「やるしかない」に置き換えるのが大事。
私は単純なので、これだけで渋々…といった感じで「仕事モード」になるっぽい。
食事後や仮眠後など、「途切れた後」が一番やっかいなので、休憩明けは意識してこれをやる。

 

・昼休みは仮眠に充て、昼食は合間を見て軽く摂るに留める

上2つと比べると、これはかなり私のライフスタイルに依存したアイデアかも。
まず私は、業務内容的に同僚との打ち合わせやMTGに出席している時間がメチャクチャ多い。
4時間会議で2時間が他の同僚とのコミュニケーションに消えるとかザラ。
なので、基本的に「音信普通になっても一切問題ない時間」というのが昼休みしかない。
一方で、社内のコミュニケーションは音声のみによるものなので、音さえ乗らなければ基本何やってもバレない。
そして私のバイオリズム的に一番思考がまとまるのがだいたい深夜以降。
そういう訳で、出社時よりもベッドに入る時間を遅くして、その分昼休みにベッドで仮眠、食事は仕事しながらカンタンに済ませるようにした。
これはこれで生活リズムとして定着してきた感じがあるし、手軽なもので昼食を済ませるようにしたから体重も減ってきた。

 

・ヘッドホン(ヘッドセット)をしない

これはそのまんま。会話をするときに耳の直ぐ側で同僚の声が聞こえるというのがかなりストレスなのに気づいた。人によって音量まあまあ違うし……。あと軽くとはいえ一日中頭を締め付けられるのも意外としんどいことがわかった。コールセンターの人とかマジですごいなと思う。

 

まだこんなもんかな……。正直まだまだ暗中模索という感じ。
一年経ってこれだから、多分もうどうにもならない気もするが、一応こんな感じで頑張ってますというお話でした。

Youtubeのハレとケ

最近、コロナ禍の影響もあってか、「一生行かないだろうな~こんなところ」という場所を撮影した動画を見るのにハマっています。

それはアルペニストによるアイガー北壁の動画だったり、パルクールに熱狂する若者のビルからビルに飛び移る瞬間だったり、はたまた探査機の撮影した火星の表面だったり、色々なんですが、最近そこに「日本の植木屋のお兄さんが撮影した九州にあるなんの変哲もないレストラン」が加わりつつあります。

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淡々としてますよね。

店の周辺の様子、外観、店内、メニュー、そして料理。食べているところは無し。
ただこれだけを撮影して、1分足らずの動画にして上げているんです。

どれだけこの料理が美味しいのかとか、店主の方のこだわりは何なのかとか、そういう「撮れ高」は一切なく、ただ「ここへ行った」というその人の一日の撮って出し。
そのレストランの名物とか地元の名産なんかもお構いなしです。ちゃんぽんの店行って普通にキムチチャーハンとか頼んじゃう。この味わいがYoutubeのちゃんとしたコンテンツっぽさに慣れてしまった自分の、自分でも気づいていなかったツボを刺激してくるんです。

ここで序盤の話に戻るんですけど、上の動画見て「すごい! 次の休みは絶対にこの店に行こう!」ってなるでしょうか? ならないですよね。
多分、一生行くことは無いんじゃないかと思います。だってごく普通の街のごく普通のレストランなんだもの。話題になっている訳でもなんでも無いんだもの。なんならお店の人だって自分みたいな人間が来ることなんて予想していないでしょう。ここに行くのだったら他の観光地とか、近所のまだ行ったことはないけど気になっているお店の方に、きっと足が向いてしまうと思います。

そういう意味では、この動画もアイガー北壁や火星のように「絶対に行かない場所」なんです。
アイガー北壁や火星が「ハレ」の「絶対行かない場所」なら、これは「ケ」の「絶対行かない場所」なんです。
そしてそれらは「絶対に行かない場所」であるがゆえに、等しく私を魅了してやまないのです。

 

こうして私達はきょうも燻される。

いわゆる「いい年」になると人生のことを考えたくなるのかもしれない。

それまでも進路だったり、どんな職につくのかだったり、ある程度人生について考えるタイミングはある。でもそれは大半の場合はある程度方向性が絞られた話だ。多くの人は「大学に行く」というのは既定路線だったり、「仕事につく」というのは当然のことだったりしていて、結局その中で「どれを選ぶか」という話になる。(もちろん、だからラクだとか、大した選択じゃない、というつもりは全く無い。むしろ人生を左右するメチャクチャ大事なことだと思ってる)

いま私が直面しているのは、もっと漠然とした「人生」をどうしようかという話。
困ったことに、アラサーくらいの歳になると自由が効かないようでいて、その気になれば取れる選択肢というのが増える。
今の会社に残る? じゃあどうなりたい? 管理職? それとも現場のスペシャリスト? それとも違う部署に異動したい? それとも転職? ならどの会社に? 同業他社? それとも違う業種? あるいは独立? はたまた、今の年齢だったらまだどこか学校へ行って学び直すというのも間に合うか? エトセトラ、エトセトラ……。

ドン詰まったアラサーの人生というのは、さながら火事の起きた家だ。煙に巻かれて何も見えず、息ができなくなる。火は無情にもあちこちに回り始め、煙は厚さをましていく。

こうした状況の中で、求められるのは迅速で的確な判断だが、実際の人生において取られがちな行動は「酔っ払う」ことだ。
酔っ払う手段はアルコールだったり、薬だったり、ある種のナルシズムだったり、あるいはそのすべてだったりする。
飲み屋で「結局人生ってのは死ぬ気で行って出たとこ勝負なワケ」などと行っている男がいたら、酒とナルシズムの両方に酔っているタイプだ。多く男のナルシズムには「死」がつきまとうからだ。

こういう話をすると、「バカだな、そんなことやっていないで早く行動すればいいのに」などと思うかもしれないが、実際はもう少し複雑で、先程のたとえ話で言うならば、

「水を組んでこようか? いやでもいまの体力じゃ組んで運べるか怪しいな、水も出るかわからないし」とか、「もう少ししたらスプリンクラーが作動するはずだから、それまでもう少し我慢しようか」とか、「いうてこの部屋まで火がまわってくる頃にはオレも爺さんになってるだろ」とか、色々な考えが頭をよぎり、結果として「じゃあ身を低くして、酔っ払いましょうか」となるのだ。

こうして取り柄のないアラサーはきょうもボヤの出た家で、うっすらと煙に燻される。

多分明日も。

 

 

「ピンポン」が見返すごとに解釈変わってすげーという話

※ピンポン(松本大洋原作)知ってる人しかわからん内容です

自分の人生を振り返りたくなったときに、よくアニメのピンポンを見たり、思い出したりするんです。で、その中で見るごとに解釈変わるシーンがあるんですよ。

それが、卓球部を退部したアクマが大会の会場のトイレに篭ってる風間と会話した後に泣きだすっていうシーンなんです。「少し泣く」ってコマだけ見たことある人もいるんじゃないかな? 有名なので。

で、ここでなんでアクマが泣いたかって、作中で説明なくて、読み手の解釈に委ねられてるんです。で、これが見た時の自分の年齢とか境遇に合わせて解釈変わってるのに気づいて、やっぱ凄い作品だな〜と。

学生のころは「みんなも本当は辛かったんだ、でも頑張ってたんだ」って気づいたけど、もはやそれを知っても取り返しが付かない後悔に泣いたんだと思って、

フリーターの頃は「あんなに絶対的に思えた風間が、実はごく狭い世界でもがき苦しんでるただの学生だった」ってことに気づいて、悲しくなったんだと思って、

会社勤めのいい歳になったいまは、卓球に必死になっていたあの頃と別れを告げたことへのある種の郷愁(後悔ではなく)に泣いたんだと思ってる。

たぶんどれも正解で、どれも間違いなんだろうなぁ。

見てない人はぜひ見てください。

1月第5週の土日

また電池切れモードになった。
いつかしっかり書こうと思うけど、ここずいぶん長いこと何にもやる気が出ない(特に仕事)時期が続いていてまして、先々週くらいに久しぶりにやる気が出たんですが、今週また逆戻りしてしまいました。

やる気がでないとどうなるかというと、延々ベッドで横になってスマホいじってるんですね。で気づいたら朝で、寝て起きたら夕方で、気づいたら深夜みたいな。
一時的に復調した理由なんだろ、と思い返したんですが、どうも散歩な気がする。なんで今週も散歩に……と思ったらあいにくの天気だったため散歩は断念し、相変わらず気分は最悪という訳ですね。

というわけで何もしてませんが、今週の土日。ひたすら寝るかゲーム。UFC4という実在の総合格闘を舞台にしたゲームを延々やってました。
先週紹介したゲームはラスダン入ってからなんかやる気イマイチになったのと、無性に暴力的なゲームをやりたくなったんですね。ラスダン入るとなんか急にやる気なくなったりしない? あれなんで?

ちなみに、ゲーム自体はまあまあ楽しかったです。やっぱ寝技って強いんだなあとか、選手生命的にもこっちのがパンチドランクにならんからいいよなあとか、色々現実的な目線にもなれる不思議なゲームでした。まあゲームとしては圧倒的にグラウンドよりスタンドでの殴り合いが楽しいんですけどね。対人戦だったらまた違うんかなあ。
2階級制覇して、ステータスも育ちきって、カネの使いみちも無くなって「あ、これ引退までひたすら作業だ」と気づいてやめました。

ただ、このゲームで凄い気になったのが、チャンピオン戦前はセコンドとの会話イベントがあるのに、チャンピオン獲った後はなんにも無いんですよね。ベルトを獲得した演出画面とかは出るけど、スっと元のゲームプレイに戻る。これが超嫌だった。
開発的には引退まで続けてほしいから一段落つけさせたくなかったのかもしれないけど、プレイヤーが何かを達成したら何かしらの特別なイベントは用意してしかるべきなのではと思う。チャンピオンベルトが画面に表示されて終わりはないっしょ。

もう一つ気になったのはゲーム中で手に入るカネの使いみちの無さ。技を覚えるためにしか使えないってどうなのよ。技にしたってファンタジーじゃないからそこまで目に見えて違う技が使えるようになるわけじゃないし、そんなにたくさん覚えなくたって試合には勝てる。むしろ技ごとに熟練度があるから、よほど気に入ったか、経験値稼ぎ目的でもなければ、あんまり違う技ポンポン使いたくならない。
そして試合に勝つことで得られる報酬は当然このカネだけ。チャンピオンを目指している頃は試合に勝つことでランクを上げてベルト獲得を目指すという目標があるけど、一度獲ってしまうとあとはもうなんにも楽しくない。ただ作業。
EAのゲームによくあるように、このゲームにもスキンやエモートの販売があるんだけど、このカネはそれには使えない。せめてカスみたいなやつだけでいいから買わせてほしかった。

というわけで、私の作った選手は次の防衛戦にサインをしたっきり行方不明になりましたとさ……。

ただ、まあ、セールで買ったので、その代金ぶんは十分楽しめたかな。悪く書いちゃったけど、途中まではマジで熱中してたしね。あとモーションとかやっぱ凄い気合入ってます。これだけで一見の価値あり。すくないけどセコンドとの会話シーンも熱くて、抑えるとこ抑えてる感じ。

 

なんかゲームの話になっちゃった。終わりです。