ロストジャッジメントのイジメの描き方がよかったって話と、その他フィクションにおけるイジメの話。

ネタバレ100%なのでお気を付けください。

 

ロストジャッジメント、クリアしました。
クリア直後は呑み込めないところもあったけど、時間をおいて振り返ってたらだんだん消化できて来たなと思ったので、たくさん言いたいことはあるけど今回は表題の件だけ。

ロストジャッジメントは作品を通してのテーマとして「イジメという”犯罪”について」「裁かれなかった罪人を誰が裁くのか」「復讐の是非とは」とかとかあって、全体的にまあ重い話。
その中で、話のイントロダクション的に「学校内でのイジメをキムタク(主人公)が解決する」というくだりがあるんです。
もろもろあって加害者をとっちめて改心させて、イジメ加害者がイジメ被害者に謝罪するんですけど、
加害者が謝ったときに、被害者は何も言わずにその場から立ち去ってしまうんですね。
それを見ていたキムタクが加害者に対して、
「当然の反応だ、許されると思うなよ。一生許されないことをお前はしたんだ」
「でも、よく謝ったな」
って言ってて、このバランス感覚のおかげで賛否別れそうなシナリオも最後までプレイできたなと、いま振り返ってみてそう思いました。

アンテナの低い自分の主観になってしまうけど、いじめを取り扱う作品ってだいたい
・加害者が謝罪して、被害者は受け入れる(なんならそのあと親友みたいになる)
・加害者側が罰を受ける
の2パターンだと思っていて、これってコンテンツを受けた側の学習としては、
「謝れば許される」「イヤなヤツをボコボコにするとスカッとする」でしかなくて、ともすればイジメを助長しかねないと思ってたんですね。
なので、この話のつけ方は上手いなと。

ロストジャッジメントという作品はイジメ問題にかなり真剣に取り組んでいて、
それゆえ、各キャラの意見はありつつも、作品としてイジメや復讐の是非について答えは出していないんです。

受け手側に主体性のあるビデオゲームでこういう作品を出したのって、本当に意義があると思うし、唯一無二の作品だと思うので、とりあえず皆に触ってほしいなと思う作品でした。
前作(ジャッジアイズ)とお話はつながっていないので、今作からでも遊べます。